実践者が語る、食と暮らし4
My Macrobiotic Life
Students’ diaries from cooking school LIMA
クッキングスクール リマ 受講生ノート
【第4回】常川衛さん
Profile
常川衛/会社を退職後フリーランスの料理人として活動中。
マクロビオティックの知識も活かしながら、マイペースにさまざまな人に料理を振る舞っています。
できる喜び
「手当て」が
―「ベーシックⅡ 」を受講して
ベーシックⅡでは手当てのことについてより触れることができました。
手当てとは、不調な部分に手を当ててさすることで、心持ちがよくなるように、身体の不調を食事によって調えることです。それらは人が人を大切に思う心から始まり、考えられ、使い続けられてきたものなのだそうです。 喉の不調には蓮根湯やコーレンを飲む、体を温めたい時には梅醤番茶を飲む。スッキリさせたい時には小豆。といったように、その時の体調に応じた適切なものをいただくことで身体の陰陽バランスを調え、元気になれることがとても興味深く面白かったです。
また、手当てを知ることで日々のふとした時に役立てられるようにもなりました。
母が不調な時に、梅醤番茶を振る舞ってみると「美味しいし、なんだか元気になりそう」といってもらえ嬉しい気持ちになったのを今でも覚えています。他にも、寝込んでしまった子に、その日の夜にひじき蓮根を作ってみたり、食欲のない子には味噌おじやを作ってみたりしました。そして調子が悪いときにも関わらず、どれも美味しいと完食してもらうことができました。
マクロビオティックによって自分自身の健康に気を遣うことができるようになることも確かに良いことなのですが、大切な人のために、理由を持って料理を作り労いたわることができることが何より嬉しいことだと感じました。クッキングスクール リマに通い、その時その状態に合ったものを作る。誰かを大切に思い作る。そういったことを改めて学ぶことができてとても嬉しく思います。
クッキングスクールリマでは受講生を随時募集中!
詳しくはHP(https://lima-cooking.com)をご参照ください。
My Macrobiotic Life
Practitioners talk about food and lifestyle
実践者が語る、食と暮らし
美味しいから、続く。美味しいから、楽しい。
四季折々のマクロビオティック
Vol.4 クッキングスクール リマ 認定インストラクター 平田佳子 さん
驚きの出会い
マクロビオティックとの
10数年前、久しぶりに再会した学生時代の友人に、今こんな食事をしているのよ、美味しいからと、マクロビオティック・レストランに連れて行って貰いました。その時が私の、初めてのマクロビオティックとの出会いです。その友人も私も料理は、作ることも食べることも好きで、彼女の〝美味しい‼〟は、間違いないと思っていましたし、その時のお料理は、本当に美味しく、盛り付けも華やかで、当時全く詳しくない私には更に動物性不使用ということも驚きでした。
この美味しさは素材なのか、調理法なのか、マクロビオティックって? と興味本位も手伝って、子育て真っ最中でしたが、クッキングスクール リマに通い始めました。
料理教室に通うことも初めてでしたので、味覚以前に、先ず、包丁の切れ味凄い! と感動したことも覚えています。丁寧に音を立てずに調理道具を扱うこと、素材を大切に扱い、何事もスマートに、素早く、と料理に向かう心構えも授業に組み込まれていて、徐々に慌てず落ち着いて調理ができるようになっていきました。初級クラスで習った、圧力鍋でモチモチに炊き上がった玄米ご飯にごま塩、昆布と椎茸の出汁のお味噌汁、練った葛に塩の効いたきな粉などに感動。
そのまま中級〜師範に進み、助手を。そして少し落ち着いて時間が取れるようになった今、インストラクターコースに通っています。
肥えてきた
家族の舌も
家庭では、子どもが小さいうちは穀物のコロッケや寒天、葛のデザート、分搗き米といった子どもが喜ぶメニューが中心で玄米は時折と、細々と続けていました。大人が美味しいと思う蒸し煮は、人参でもリンゴでも子どもは〝NO!〟で、陰陽も含め考えさせられる悩ましい時期も長く続きました。「大人だけだったらね〜」と夫と話すこともありましたが、今、成人した子ども達が、自ら玄米を炊いたり、外食時も選んで食事をしたり、無理することなく過ごせていることも、何となく続けて来た甲斐があったかなと感じています。有難いやら何やら、外で食べるより家での食事やお弁当を日々リクエストしてくれるので、肥えた舌に嬉しい悲鳴だったりもしています。
いつも美味しい生活を
季節の旬を感じるから
現在、友人や子供たちとそのお友達に、少しずつですが、自宅で料理教室をしています。お米を丁寧に扱ったり、お野菜もなるべく有機の物で綺麗に洗って、できるだけ皮もむかずに頂く一物全体など、身近で出来ることからわかりやすく伝え始めました。
私自身も昔は季節感ゼロだったかもと回想しつつ、オールシーズン並ぶお野菜にも実は旬があって、その季節の物をその季節にと、筍ご飯、青豆ご飯、栗ご飯など、四季を感じるような献立を考えています。楽しく、和気あいあいと作り、みんなで囲む食卓はハートが感じられていいつも美味しいです。「美味しい、美味しい、美味しいから食べてみて!」がそんな時の私の口癖のようで、また言ってる! とみんなで大笑いです。そして、私にきっかけをくれた友人は、クッキングスクールリマを卒業後、料理研究家に。更に料理教室「ハイチアンムーン」を主宰するなど大活躍です。元気? と再会、共に旅に出たり、お互いいつまでも食いしん坊だよね〜とマクロビオティックライフをエンジョイしています。
美味しいから続く、美味しいって凄いなといつも思っています。
Profile
平田 佳子 さん
ひらたよしこ/クッキングスクール リマ 認定インストラクター。クッキングスクール リマでアシスタントもしながらインストラクターコース受講中。小学生の頃から大の料理好き。自宅で料理教室YPCを開催、友人のフランス料理教室を時折手伝うなど、マクロビオティックの世界を学びつつ、料理の楽しさを広める活動中。
ジャーナルの記事
自然との調和に生きる里山暮らしの愉しみ
人生で不要なものや観念を捨ててゆくと、何も置かれて
いない畳部屋のような空間が広がる。本当の自分はそんな空間のほうにいるような気がする。そうした抽象的理解まで行かずとも、現実に何もない畳部屋にいると自由な空間の広がりを感じられて気持ちが良い。何も置いてないので食休みはできるし、無心で横になることもできる。僕の場合テーブルと椅子の生活より、畳の生活に安らぎを感じる。